Z世代 に選ばれる結婚式場になるために!ブライダル業界で今から取り組んでおきたいDX戦略7選(後編)

Z世代に選ばれる結婚式場になるために!ブライダル業界で今から取り組んでおきたいDX戦略7選

ブライダル業界において、今後、“ Z世代 ”に対するマーケティング戦略を強化していくことは重要であり、これに伴い“ DX ”の推進も非常に重要なキーワードとなってきます。

前半の記事では、「そもそもZ世代がどのような世代なのか」「どのような特徴があるのか」という点から、Z世代に向けたデジタルマーケティングのポイントについてお伝えをしてきました。

今回の記事では、「Z世代に選ばれるためのDX戦略」として、7つのポイントに絞って具体的施策のヒントを探っていきます!

目次

1. Z世代 の特徴とは?

DX

一般的にZ世代とは、1990年代後半~2012年頃に生まれた方が該当します。2022年時点で、10歳前後~20代前半の年齢の方が当てはまります。

前回の記事では、Z世代の詳しい特徴について見ていきました。改めて、代表的な特徴の部分を振り返ってみましょう。

  • デジタル・スマホ・SNSネイティブ
  • コスパよりも“タイパ”(タイムパフォーマンス)
  • ブランドよりも“共感”
  • モノ消費よりも“コト消費&イミ消費”

ブライダル業界にとって、今後、結婚適齢期に入ってくるZ世代に対して結婚式場からアプローチを強めていくことは必須事項。では、デジタル・スマホ・SNSネイティブであるZ世代から選ばれる結婚式場になるために、どのような戦略・戦術を実行していけばよいのでしょうか。

その答えの1つとなるのが、“DX(デジタルトランスフォーメーション)”です。

DX推進における重要なポイント

DXとは、デジタル技術を活用し、顧客体験価値を向上させること

「デジタル技術の活用」という観点から考えても、デジタル・スマホ・SNSネイティブであるZ世代にアプローチしていくためには、会社全体としてDXに取り組んでいくことが非常に重要である、ということがお分かりいただけるかと思います。

しかし、いざ「DXを推進しよう!」と思っても、「何から取り組めばいいのか分からない…」というブライダル事業者様のお声もよく耳にします。

そこで前回の記事では、ブライダル業界におけるDX推進に向けて、まずは「デジタルマーケティング」から強化をしていくことがオススメだとお伝えしました。

そして今回は、その次のステップとして、本格的にDXを推進していくための具体的施策を考えていきます。

2.カップル側が不満に思うポイントは?

Z世代に向けたDX戦略を考えていくにあたり、まずは、過去にTAIANが実施をした「結婚式場の営業手法に関するアンケート調査」から見ていきましょう。

問:結婚式場を検討する過程で不満や面倒に思ったことはありますか?(複数選択可)

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結婚式場の営業手法に関するアンケート調査(※1)

※1:調査概要【調査期間】2022年02月24日〜2022年02月26日【調査対象】直近で結婚式を挙げた5,188組と今後結婚式を挙げる予定のある1,730組のカップル【有効回答数】6,918【調査委託先】株式会社H.M.マーケティングリサーチ

今回は“Z世代”がテーマですので、男性・女性それぞれ20-2才の回答にフォーカスして見ていきましょう。

まず、他の世代と比較して不満度が高くなったのは、「打ち合わせや相談会が対面でしか実施されていない(オンライン面談がない)」という点。

次に目立ったのは、「資料請求や来館予約後の電話でのヒアリング営業がしつこい」。20-24才の女性では27.4%と、他の世代と比較しても不満度が高くなっています。

更に、「来館や打ち合わせの日程予約が自動化されておらず式場/プランナーとの調整が面倒」は、男性20-24才で23.9%、「打ち合わせ後に見積が出てくるまでの時間が遅い」は、女性20-24才で24.2%となっています。

3.Z世代に向けた DX 戦略

これらの結果も踏まえ、Z世代に選ばれる結婚式場になるためのDX戦略として、7つの具体施策に絞って見ていきましょう!

①オンライン打ち合わせ・相談会の導入

コロナ禍を経てテレワークも定着しつつある中で、Z世代にとっては、オンラインでの対面も当たり前になってきています。むしろ、いきなりオフラインで対面することへの抵抗感を持つ人も、今後増えてくると考えられます。

また、効率性を重視するZ世代にとって、まずは自宅にいながらオンラインで面談・相談したいという気持ちが高くなるのもうなずけます。

「オンライン打ち合わせを導入したことで、新規接客数が大幅に伸びた」という事例もありますので、併せてチェックしてみてください。

②SNSの運用強化

こちらは言うまでもありませんが、Z世代はGoogleだけでなく、InstagramやTwitter、YouTube、TikTokなど、さまざまなSNSを横断的に駆使して情報収集をしています。

Z世代は、SNS上でインフルエンサーや知人が紹介していたモノを購入する、といった特徴的な購買行動も見られます。どのようにリアルな顧客の声・口コミを拡散していくかは、結婚式場全体として仕掛けを考え、力を入れていきたいポイントですね。

③公式ホームページの見直し

Z世代に対しては、SNSで露出の面を増やすことは大前提重要ですが、Googleにおいても露出の面を確保することは重要です。ホームページ運営において、最低限押さえておきたいポイントは次の2段階です。

STEP1:まずは自社のホームページを「見つけてもらう」

最初から自社の結婚式場の名前を検索してホームページに流入してくれれば、これほど嬉しいことはありませんが、よほどブランドの知名度が高くない限り、いきなり指名検索での流入は難しいと言えます。

ブランドの認知度を上げていくためには、②で紹介している通りSNSの運用強化・発信力強化が必要ですが、それと併せて、Googleでの露出面を増やしていくために、まずはどのようなキーワードで検索されたいのかを整理しましょう。

例えば「●●(地名) 結婚式場」「●●(地名) ガーデンウェディング」などです。キーワードをいくつか整理したら、そのキーワードで検索した際、自社の結婚式場ホームページが何番目に表示されるようになっているかを確認しましょう。

上位に表示されればされるほど、流入の確率は高まります。上位表示させるためには、「SEO対策」と「広告出稿」の2つの手段があります。SEO対策は効果が出始めるまでに時間がかかる傾向にあるため、長期的な視点で取り組むと良いでしょう。

STEP2:公式ホームページに流入した後の興味喚起

ホームページに流入した後は、資料の請求や結婚式場の見学・ブライダルフェアへの申込などのアクションに繋げてもらう必要があります。

アクションを促す際のキーワードは“共感”です。結婚式場全体のコンセプト・ストーリーや、過去、その式場で結婚式を行ったカップルのエピソード、働いているプランナーやスタッフの想いなど、ハード面だけでなくソフト面(内面の部分)も打ち出せているかどうか、改めて確認をしてみましょう。

④chatbotの導入

DX

Z世代は効率を重視します。また、「すぐに回答にたどり着きたい世代」と言われることもありますが、自分の探し求めている情報や答えが見つけられないと、早々に離脱してしまう可能性もあります。

カップルが結婚式に関する情報収集を行うのは、仕事が終わった夜の時間帯が多いのではないでしょうか。しかし、結婚式場側の電話受付は夜遅くまで対応するのは難しいですよね。

そこで活用できるのが「chatbot」です。スタッフが直接対応できない時間帯でも、カップル側が求めている回答をより早く・的確にお返しできることができれば、顧客体験を向上させることにつながり、離脱を少しでも減らすことができます。

chatbot導入の事例はコチラからチェック!

⑤即時予約システムの導入

美容院・飲食店をはじめとする「即時予約システム」が、Z世代にとっては当たり前です。しかし、結婚式場のホームページや各種媒体の中には、まずはお問い合わせをしてから、プランナーと来館に向けての日程調整をしないといけない、というケースも少なくありません。

これはZ世代にとってストレスが大きいだけではなく、プランナー側の手間にもなっています。顧客の体験価値向上&プランナーの業務効率化のためにも、従業員のスケジュールと連携して、自動的に空枠を表示・予約することができるシステムの導入を検討してみてはいかがでしょうか。

⑥CRM・MAなどメール配信システムの活用

初回来場前からの過度なアプローチ(電話)は、若い世代ほど嫌がる傾向にあります。まずはメールやchatでコミュニケーションを取りたい、というZ世代も多い中で、属人的にそれに対応するのは手間も時間もかかってしまいます。

そこで、CRMやMAといった、顧客(見込顧客)の属性ごとにメールの自動配信を可能にするシステムを活用することで、ある程度のメール配信やコミュニケーションを仕組化させることができます。④のchatbotと併せて活用することで、大幅な業務効率化にもつなげることができます。

⑦Web招待状の導入

結婚式準備の中でも大きなハードルとなる、招待客のリストアップ・招待状の作成・発送・参加者情報の整理・席次表の作成。これらをすべて紙やExcelで管理するのは、カップル側だけでなくプランナー側にとっても大きな負担となります。

そこで活用したいのが、近年注目されはじめている「Web招待状」です。SNSやLINEを通じてWeb招待状をお送りし、ゲストがweb上で出欠や自身の情報を回答することで、自動的に情報がシステムに反映されます。そして、その情報を活用してそのままweb上で配席の設定まですることができます。

デジタルネイティブ、かつ効率性を重視するZ世代に向けて、1つの付加価値としてWeb招待状のサービスを準備しておくと、より顧客満足度の向上・体験価値の向上に繋げていくことができるのではないでしょうか。

4.まとめ

いかがでしたでしょうか。今回は「Z世代に選ばれる結婚式場になるためのDX戦略」として、具体的な施策を7つご紹介していきました。

すぐに取り掛かれるポイントもあれば、システム導入など、会社全体として検討する必要のあるポイントもあります。

特に、これまでアナログで管理していた情報や業務をデジタル化していくことには、少なからず不安や抵抗感が生まれるものです。しかし、今後Z世代が結婚適齢期に入ってくるにあたり、「顧客に対してより良い体験価値を提供していく」ためにも、今の内から進められるDX戦略には取り掛かっていくことが重要です。

今回の記事が、DXを推進する1つのヒントになれば幸いです。

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