“ Z世代 ”という言葉をよく耳にするようになりましたが、「そもそもZ世代って誰のこと?」「Z世代ってどのような特徴なの?」という疑問をお持ちの方も多いのではないでしょうか。
ブライダル業界において、今後、Z世代に対するマーケティング戦略を強化していくことは重要であり、これに伴い“DX”の推進も非常に重要なキーワードとなってきます。
そこで今回の記事では、「そもそもZ世代がどういった特徴を持っているのか」という基本から、Z世代に向けたマーケティング・DX戦略のヒントを探っていきます!
1.そもそも“ Z世代 ”とは?
まずは、Z世代と他の世代を比較しながら、Z世代がどのような世代のことを示しているのかを見ていきましょう。
世代 | 生まれ | 備考 |
X世代 | 1960年~1974年頃 | |
Y世代 | 1975年~1990年代前半 | 1980年代半ば~1990年代半ば:ミレニアル世代 |
Z世代 | 1990年代後半~2012年頃 | |
α世代 | 2013年頃~ |
こちらの表からも分かるように、一般的にZ世代とは、1990年代後半~2012年頃に生まれた方が該当します。2022年時点で、10歳前後~20代前半の年齢の方が当てはまります。
Z世代と言えば、スマホを使いこなし、インターネットでの情報収集を得意とするイメージをお持ちの方も多いと思いますが、実際はどうでしょうか?総務省のデータから見ていきましょう。
【世代別】主なメディアの平均利用時間
まずはネットの利用時間(グラフ灰色)から見ていきましょう。
60代:92.7分に対し、10代:253.8分/20代:303.1分と、非常に多くの時間をネットの利用に割いていることが分かります。
一方、テレビ(リアルタイム視聴)利用時間(グラフ青色)はどうでしょうか。
60代:326.1分に対し、10代:73.9分/20代:90.8分と、ネット利用時間とは対照的な結果となっています。
このデータから分かるZ世代の特徴として、
- 新聞やテレビなどのマスメディア離れ
- webメディアでの情報収集が当たり前
ということが挙げられます。
情報過多の環境下で育ったZ世代は、「自分にとって必要・不要」な情報を取捨選択することが得意な傾向にあります。テレビや新聞などの媒体は「自分自身が興味がない情報も多々入っている」ことがあり、自分自身に必要な情報を得やすいweb媒体利用が進んでいったと考えられています。
2. Z世代 5つの特徴
ここからは、Z世代の特徴について、もう少し詳しく見ていきたいと思います。
Z世代の特徴①:デジタル・スマホネイティブ
こちらは言うまでもありませんが、Z世代は、生まれた頃からインターネットやデジタルデバイスが身近にあり、子どもの頃からパソコンなどのデジタルデバイスを利用しています。
Z世代の1つ前、Y世代もデジタルネイティブと言われますが、Y世代の場合は「最初に持った携帯電話はガラケー」という方が多いです。しかし、Z世代は、初めからガラケーではなくスマホという世代。デジタルネイティブであり、スマホネイティブでもある、ということが特徴の1つと言えるでしょう。
Z世代の特徴②:SNSネイティブ
こちらも特徴①と重なる部分もありますが、Z世代は、スマホの利用・SNSの利用が当たり前の世代です。
日々の情報収集やショッピングもSNS上で行う、SNS上でインフルエンサーや知人が紹介していたモノを購入するなど、Z世代にとってSNSの活用は日常生活の中に溶け込んでいます。
Z世代の特徴③:コスパよりも“タイパ”
“タイパ”という言葉を聞いたことはありますでしょうか?
コストパフォーマンス(費用対効果)という言葉に似ていますが、タイパ(もしくはタムパ)とは“タイムパフォーマンス(時間対効果)”の略。タイパとは、それに費やす時間に対して、どれほどの満足感が得られるかを指します。Z世代はコスパよりもタイパを重視する傾向が強くなったと言われています。
Z世代の特徴④:ブランドよりも“共感”
皆さんは、商品の評価・購入を検討する際、どのような軸で買う・買わない/良い・悪いを判断されるでしょうか。
Z世代にとって重要なことは、ハイブランドや有名なブランドであるかどうかではありません。その商品・サービスのコンセプトや、開発されたストーリーに共感できるかどうか、を重視する傾向にあります。
また、特徴②でも挙げているように、自分自身が共感を寄せるインフルエンサーや知人がオススメする商品を購入する、といった行動パターンも多く見られます。
Z世代の特徴⑤:モノ消費よりも“コト消費&イミ消費”
「モノ消費からコト消費へ」というキーワードを耳にする機会が増えたと思いますが、Z世代は「コト消費」だけでなく、さらにその先にある「イミ消費」を重要視しています。
そもそも「モノ消費」とは、その商品を所有することに意味を見出す消費傾向。一方「コト消費」とは、商品やサービスを購入したことで得られる体験に価値を見出す消費傾向のこと。
では「イミ消費」とは何でしょうか。
「イミ消費」とは、商品やサービスそのものの価値だけでなく、そのブランドが持つ価値観や考え方・社会貢献度に対して共感し、購入・利用する消費行動のことを指します。特に震災以降、Z世代を中心にけん引されてきた消費行動と言えます。
3. Z世代 × DX戦略
ここまで、Z世代の特徴について見てきましたが、Z世代に対する理解は深まってきましたでしょうか。
ブライダル業界にとって、今後、結婚適齢期に入ってくるZ世代に対してアプローチを強めていくことは必須事項。では、デジタル・スマホ・SNSネイティブであるZ世代から選ばれる結婚式場になるために、どのような戦略・戦術を実行していけばよいのでしょうか。
その答えの1つとなるのが、“DX(デジタルトランスフォーメーション)”です。
DXとは何なのか?
まず抑えておきたい重要なことは、DX=デジタル化、ではないということ。DXの本質的な目的は、デジタル技術を活用することでビジネスモデルをより良い方向へ変革し、顧客の体験価値を向上させるということです。
DX の推進に向けては、次に紹介する2つのステップを踏んでいきます。
DX へのステップ① デジタイゼーション(digitization)
デジタル技術の活用により、これまで手作業だった業務プロセスを部分的にデジタル化すること。
部分的かつ最低限のデジタル化を行うだけなので、「守りのデジタル化」といわれることもあります。主な目的は業務効率化やコスト削減。例えば、今まで紙で管理していた経費精算や勤怠管理をクラウドシステムに移行することも事例の1つです。
DX へのステップ② デジタライゼーション (digitalization)
特定の業務プロセス全体をデジタル化し、新たなビジネスモデルや顧客体験を生み出すこと。デジタイゼーションと異なり、単なる部分的な作業のデジタル化でなく、デジタル化によるメリットでビジネスモデルが変革することを指します。
この2つのステップを経て、“DX(デジタルトランスフォーメーション)”が実現します。
Z世代 に選ばれるためのDX戦略
DXとは、デジタル技術を活用し、顧客体験を向上させること。
デジタル・スマホ・SNSネイティブであるZ世代にアプローチしていくためには、会社全体としてDXに取り組んでいくことが非常に重要である、ということがお分かりいただけたかと思います。
しかし、いざ「DXを推進しよう!」と思っても、「何から取り組めばいいのか分からない…」というブライダル事業者様のお声もよく耳にします。
そこで、DX推進に向けて、まずは「デジタルマーケティング」から強化していくことをオススメしています。
例えば、各種SNSや検索エンジンで情報収集をすることが当たり前であるZ世代に対して、自社の結婚式場がどれくらい露出できているか(見つけてもらえるか)を今一度見直してみることは重要です。
「Z世代は、どのような検索キーワードで結婚式場の候補を探しているのか」
「Z世代は、Instagramのどのような#(ハッシュタグ)で結婚式場に関する情報収集を行っているのか」
「実際に結婚式場見学やブライダルフェアの予約申込をする際、Z世代はどのようなポイントを見ているのか」
など、まずはZ世代の消費行動をイメージしながら、デジタルマーケティングの強化を行っていくことが重要です。
4.まとめ
いかがでしたでしょうか。
今回の記事では、まずZ世代がどのような世代であり、どのような特徴を持っているのかについて見ていきました。
また、Z世代に選ばれる結婚式場になるためのDX戦略として、デジタルマーケティングを強化していくことの重要性についてもお伝えしてきました。
次回の記事では、デジタルマーケティングの強化をベースとしつつ、そこからブライダル業界において本格的にDXを推進していくための具体的施策を7つ、ご紹介していきます!