“婚姻組数の減少” “コロナによるゲスト人数の減少” “婚礼単価や披露宴実施率の低下”
近年、このような耳の痛い言葉たちにお悩みの式場関係者の方も多いのではないでしょうか。
こんにちは! ブライダル特化のDX支援を行なっている株式会社TAIANの泉崎と申します。
皆さま、“LTV”という言葉をご存知ですか?これまでのブライダル業界ではあまり重視されてこなかった概念ですが、先に述べたブライダル業界の課題を解決していくために、この“LTV”は非常に重要になってくるキーワードです。
今回の記事では、ブライダル業界において、今こそLTV向上に向けた取り組みが必須である理由や、どうしたら実現できるのかを事例を交えながら解説します。 式場の集客や売上を担う方からウェディングプランナーの方まで必見です!
1.そもそもLTVとは?
LTVとは「Life Time Value」の略で、「生涯顧客価値」という言葉に訳されます。
1組のお客様が生涯でどれだけ自社の商品やサービスを購入・利用したか、を表す指標です。
LTVの計算方法はビジネスモデルによって変わってきますが、最もシンプルな式は「平均購買単価」×「平均購買回数」です。リピート産業である小売や飲食業界では重要視されてきた指標ですが、結婚式は一生のうちに何度も実施するものではありません。
そのため、ブライダル業界においてLTVを高める=生涯顧客化する、ということはイメージが沸かない方も多いのではないでしょうか。
事実、ブライダル業界では、他業種と比べて生涯顧客化に向けた施策が進んでいない企業が多いと言われています。 しかし、生涯顧客化を強化する(LTVを向上させる)ことができれば、自社が得られる売上や利益を長期的に伸ばすことができるのです。
2.ブライダル業界が生涯顧客化に力を入れるべき理由
「1:5の法則」というマーケティング用語を聞いたことはありますか?
これは既存のお客様を維持するコストを1とすると、新規のお客様を獲得するコストはその5倍であるという法則です。
サービスの多様化による競争の激しい業界において、獲得コストの高い新規顧客よりも、低コストで利益につながる既存顧客へのフォローアップはより重要であるとされています。
では、ブライダル業界はどうでしょう。
これまでの流れとして、ブライダル企業は新規受注組数の獲得強化や1組あたりの婚礼単価アップに注力してきました。
しかし昨今、冒頭で挙げた業界をとりまく情勢により、1組あたりの受注獲得単価が高騰、かつ受注単価は低下しています。だからこそ、自社の未来を見据えて新たなマーケティング施策の検討が必要とされています。
そこで力を入れるべきが、生涯顧客化に向けた施策です。
高いコストをかけて新規顧客を獲得し、結婚式という1日限りのサービスを販売したら終了という考え方から、その日を起点にお客さまと持続的な関係を結び、自社サービスを継続的に利用してもらい、既存客からの利益を最大化させる戦略にシフトしていくことが重要です。
生涯顧客化は、結婚式場のサービスに愛着を持ってもらい、ファンになってもらうことから始まります。満足度の高い結婚式を創り、お客様にとってその式場や企業が特別なものになり、信頼があるからこそサービスを利用し続けたいと思う。
そんなブライダルビジネスでは、生涯顧客化を狙っていくことは決して難しいことではないのです。
3.生涯顧客化のためにまずやるべきこと
3-1.ブライダル業界における生涯顧客化の基本
ブライダル業界において生涯顧客化を実現する為には、担当したお客様の人生を、「点」ではなく「線」で考えることが基本です。
結婚という節目の後には、夫婦や家族の新生活がスタートします。
引っ越しや住宅の購入、出産、保険を整えたりと重要なイベントが次々とやってきます。
お子さまが誕生すればお宮参りにお食い初め、七五三に入学式など、華やかな衣裳を着たり、記念写真を撮影したり、お食事会をする機会が多くあります。夫婦には、結婚式の記念日が毎年おとずれますよね。
実は結婚式後にも提供できる自社のサービスがありませんか?
- 毎年の結婚式記念日にアニバーサリーディナーへご招待
- 卒花を集めた同窓会イベントの開催
- 卒花に向けた夏祭りやクリスマスディナーなど季節のイベントの開催
- フォトスタジオがある会場であればお子さまの行事ごとの記念写真撮影
- 卒花ママに向けたお子さまと一緒に楽しめるイベントの開催
他にも、保険会社と提携して生命保険や住宅ローンを提供する事例など、お客様のライフイベントに寄り添ったサービスは多様に考えられます。
また、結婚式の前段階からタッチポイントを見つけることも可能でしょう。結婚相談所など婚活支援サービスはその一例です。自社のレストランや披露宴会場を利用した婚活パーティーを開催し、会場の認知を広めるという施策も行われています。
3-2.大切なことは“顧客情報の蓄積”
生涯顧客化を実現していく為には、お客様の基本情報や属性・行動・傾向等のデータの集計や分析が欠かせません。
その際、ツールを用いて顧客管理をすることで、より効果的かつ効率的にLTV向上に向けた施策を企画・実行することが可能になります。
CRMツール
顧客管理するシステムがCRMツール。
お客様のあらゆる情報を一元管理し、部署間で情報を共有したり、データを分析することで戦略策定などに役立てられるのです。 イメージが沸きやすいよう例を挙げると、下記のような施策が可能になります。
- 受注したお客様の属性や過去の商談履歴など、あらゆるデータを一元管理
- 蓄積したデータを活用して、それぞれのお客様に1to1の最適なコミュニケーションを継続的に実施
- ファン化したお客様への長期的なアフターフォローや、別切り口でのサービスの利用を促す
- 式場内だけでなく本部や他店舗とも情報を共有でき、新商品やサービスの開発からマーケティング戦略の策定など、各部署でデータを活用できる
CRMについてはこちらの記事で詳しくご紹介しているので、ぜひチェックしてください!
MAツール
MAツールはマーケティング施策に関わる作業を自動化したり、データを蓄積できるツールです。
とくによく使われる機能はメール配信システム。 どのお客様に対しても一律でDMやメールを配信している式場も多いと思いますが、先に紹介したCRMツールと掛け合わせることで、それぞれのお客様の興味や関心に合わせたコンテンツや広告を、最適なタイミングで配信することができます。
また、配信したメールの開封率や、誰がどのメールに興味をもったかなど効果測定もできるため、次の戦略を効果的に策定することができます。
CRMとMAはセットで活用するケースが多く見られます。
受注前の見込顧客の集客・管理から、受注後のお客様のフォローまで、これまでは人的コストが多くかかっていた工程を自動化することで、LTV向上だけでなく、全体の業務改善にもつなげていくことが可能です。
4.まとめ
“生涯顧客化”は、集客や売上アップの施策を考えていく上で今後欠かせないキーワードです。
また、現場で働くウェディングプランナーの皆さまの負担を最小限にしつつ、幸せな結婚式をお手伝いしたカップルとのご縁を結婚式後もつないでいけることは、これまで以上に仕事のやりがいを生み出し、従業員満足にも繋がっていくはずです。
新規顧客の受注だけでなく、既存顧客に向けた施策を企画・実行していくことが重要。
お客様の人生を「点」でなく「線」でとらえ、結婚式の前後で自社でできるサービスを考える。効率的かつ効果的にLTVを向上させるためには、ツールの導入がおすすめ!
ここまでお読みいただきありがとうございました。施策の実施においてCRMツールやMAツールの導入をお考えの際には、ぜひ弊社のサービスにもお問合せください!