「コロナ禍で黒字回復できた ブライダル 関連企業はあるのだろうか?」
「もしあるなら、黒字回復を成し遂げた要因について知りたい!」
そうお考えの方も多いのではないでしょうか?
ブライダル業界にとって大打撃を及ぼした新型コロナウイルスの流行。そんな中でも業績V字回復を遂げた企業があります。
今回は株式会社TAIANが提供する「ブライダルDX対談」の第1回目から、T&Gマーケ責任者が語る、コロナ禍のブライダル業界で黒字化を実現した3つの方法、についてご紹介いたします!
ブライダル DX対談 スピーカーのプロフィール紹介
「ブライダルDX対談」の第1回目のスピーカー
執行役員 マーケティング本部長 兼 新規事業企画部長
岩田 能 様
新卒でT&Gに入社後ウェディングプランナーを経て、事業戦略、他企業とのアライアンス、商品開発、基幹システム開発、WEBマーケティングなどに従事し、2017年に新規事業開発部部長に就任。主にLTV(ライフタイムバリュー)事業の開発を行い、装飾レンタル事業、アニバーサリーレストランやママ・マルシェなどのイベント事業、CRMサービス代行事業などを手がけている。
株式会社TAIAN 取締役COO
米倉 元気
新卒でリクルートスタッフィングに入社し、ITエンジニアマーケットを担当。
マネージャーを経て、営業責任者として株式会社TAIANへジョイン。
現在ではCOOとして、ホスピタリティ業界のDX推進を行っている。コロナ禍での結婚式を経験。
コロナ禍でも ブライダル 企業が業績V字回復を成し遂げた3つの要因
T&G(テイクアンドギヴ・ニーズ)さんといえば、新型コロナウイルスの流行という未曾有の事態の中でも、2022年3月期では最終的に黒字化という素晴らしいV字回復をされています。これはブライダル業界の中でも嬉しいニュースであり、私たちの会社の中でも大きな話題になりました。このような事態の中でもV字回復を達成した成功要因について、ぜひ教えてください!
岩田氏:ありがとうございます。皆さんもご存知の通り、私たち自身も大きな打撃を受けましたが、そのような中でもうまくいくことができた要因は、大きく分けて3つあったと考えています。
岩田氏:最も重要視したことは、“ご契約が決まっているお客様のキャンセルをいかに減らすことができるか”です。
通常、新規のお客様に対する接客は、丁寧なヒアリングを重ねて時間をかけて行っていきます。しかし、ご契約が決まると、その後は結婚式本番に向けた“打ち合わせ”になっていきますので、どうしても思考が変わっていってしまいます。
しかし、コロナ禍においては、例えご契約が決まっていたとしてもいつキャンセルになるか分かりません。そこで、契約後のお客様に対しても、新規のお客様と同じような接客をすることを心がけました。お客様のお話にしっかりと耳を傾ける、お客様の心に寄り添うなど、当たり前のことではありますが、まずはそこを徹底しました。
新型コロナウイルスが流行り始めた当初は、ブライダル業界に限らず、どのくらいの影響が出るのか、どれくらい長期化するのかは全く分からなかったですよね。その中で私たちは、最前線でお客様と接しているプランナー・各会場の支配人と密に連携をとり、お客様がどのような不安を抱えているかをしっかりとキャッチアップできるようにしました。
そもそもウェディングには「マリッジブルー」という言葉があるほど、お客様にかかる不安・ストレスは大きいものです。金額面での不安だけでなく、私たちの見えないところ、つまりお客様とご親族・お客様とゲストの方とのコミュニケーションの中でも少なからずストレスや不満はかかってきます。それくらいさまざまな不安要素がある中に、さらに、これまで誰も体験したことがない新型コロナウイルスによる影響。これまで以上にものすごく重い不安・ストレスがお客様にかかっているんだということを、プランナー・支配人も含めて全員が認識し、お客様の不安の声に耳を傾ける・寄り添う、ということを徹底してきました。このような“未来の見えない不安”を少しでも払拭するために、例えばキャンセル規定なども柔軟に対応し、積極的にお客様にお伝えしてきました。
そういった対応を積み重ねていったおかげで、挙式のキャンセル数は最小限に抑えることができ、リスケ、いわゆる日程変更に留めていただけるケースが多かったですね。なにか劇的な施策によって業績が回復したというよりは、当たり前のことを改めて徹底するように心がけた、ということが大きかったと思います。
ありがとうございます。今お話しいただいたように、現場からの情報をキャッチアップし、それを踏まえて経営陣の皆さまから現場に再度落とし込む、ということを徹底されていたのかなと思うのですが、そこはコミュニケーションコストがものすごくかかる部分でもあるかと思います。そういった点について、何か工夫されていたことはあるのでしょうか?
岩田氏:コロナ禍において、次々と「まん防」や「緊急事態宣言」が出され、刻々と世の中の状況が変わっていきました。
そこで重要だと考えたことは、経営陣と中間層とのコミュニケーション、または中間層と現場のプランナーとのコミュニケーションの量を増やすことです。
ちょうど新しい社内コミュニケーションツールを導入したこともあり、とにかくコミュニケーション量を爆発的に増やすことを意識していました。常にパソコンを見ることのできるスタッフばかりではありませんので、携帯端末もうまく活用しながら、コミュニケーション量をとにかく増やすということを徹底していました。
岩田氏:社内のコミュニケーション量だけでなく、顧客とのコミュニケーション量も増やしていきました。
CRMのツールを活用し、現場で不安の声が集まってきた事柄に対しては、顧客から直接声が上がる前にこちらから早めに情報を出していく、つまりプッシュ型のコミュニケーションを意識しました。
CRMツールには、リピート(長くお付き合いしていただく)や何かを購入していただくという宣伝メディアとしての役割もありますが、そのような使い方ではなく、顧客との情報の同期を早く行うためのツールとして活用しました。
こういったツールはお客様も積極的に活用してくださり、新たに決まったことをCRMツールで発信すると、開封率が8割を超えることもありました。
お客様がいかに情報を求めてらっしゃるかを身をもって感じました。
私自身もコロナ禍で結婚式を挙げたのですが、途中での緩和ルールもなかったですし、そういった情報がプッシュ型で式場から届くということもありませんでした。顧客側からすると、式場側の動きが見えないというのはやはり不安が大きいですよね。
岩田氏:新型コロナウイルスの影響が1番ピークだった時は、「そもそもブライダル会社は営業しているのか?」といったイメージを持たれている方もいたと思います。実際に営業を止めていた時期もありましたし、一般の方からすると、ブライダル業界が受けた影響は現実よりも大きく見えていたのだと思います。ですので、「私たちはしっかりと動いています」「このような方向で対応を検討しています」「このような対応を決めました」「ご安心ください」という情報を発信し続けました。
会社からの情報発信として、お客様には「挙式が近い方から順にご連絡をしています。今連絡が無い方でも、必ずこの後プランナーからご連絡がいきますので安心してください。」ということを発信し続けました。
ありがとうございます。プランナーからの連絡だけでなく、会社としての発信があり続けたということが、大きな安心感につながったのですね。
まとめ
コロナ禍でもV字回復を成し遂げた要因は、何か革新的な施策をしたというわけではなく、顧客の先の見えない不安に寄り添い、社内・顧客とのコミュニケーションを密にするという非常にシンプルな行動でした。
「ブライダルDX対談」の第1回目はこちらよりご視聴いただけます。
対談動画では、ブライダル業界のDXについても熱く語っておりますのでぜひご覧ください。
次回は、「T&Gマーケ責任者が語る、ブライダル業界におけるDX(デジタルトランスフォーメーション)とは」についてお伝えいたします!