【対談記事】ブライダル業界も“データに基づく意思決定”へ。八芳園の DX 責任者が語る、データ蓄積の重要性

【対談記事】ブライダル業界も“データに基づく意思決定”へ。八芳園の DX 責任者が語る、データ蓄積の重要性

業界の未来と DX について、熱く・明るく語っていくインタビュー番組「ブライダルDX対談」。

第2回目となる今回は、業界の中でもいち早くDXへの取り組みをされている、株式会社八芳園の原田様にお越しいただき、「業務から接客に改革を起こすDX」というテーマで対談を実施していきます!

前回の記事では、八芳園様が取り組まれてきた具体的なDX推進施策や、社内でDXを推進する上でキーとなったポイントについてお伝えしてきました。

今回の記事では、八芳園様がDX推進の中で強化されている“データに基づく意思決定”に関するお話や、これまで取り組まれてきた中で良かったと感じた施策について、具体的なエピソードも交えてお伝えしていきます!

目次

ブライダル DX 対談 スピーカープロフィール紹介

「ブライダルDX対談」の第2回目のスピーカー

株式会社八芳園

DX推進室 室長  原田  貴誌 様

ウエディングプランナー・コーポレート営業として、結婚式・イベント・企業宴席の現場で培ったノウハウを活かし、ビジネスオンラインツールでは叶わない交流体験を実現するオンラインツール「WE ROOM」の開発に参画。バンケットビジネス業界、企業への認知拡大、活用を目指す。

株式会社TAIAN 

取締役COO 米倉 元気

新卒でリクルートスタッフィングに入社し、ITエンジニアマーケットを担当。

マネージャーを経て、営業責任者として株式会社TAIANへジョイン。

現在ではCOOとして、ホスピタリティ業界のDX推進を行っている。コロナ禍での結婚式を経験。

1.重要なことは“データの蓄積”

米倉

前回に引き続き、よろしくお願いします!

ここまで、IPフォンやchatbotの導入というお話をうかがってきましたが、やはり“データの蓄積”という部分をとても重視されているように感じたのですが、いかがでしょうか?

原田氏:そうですね。やはりデータベースをどう作るかが大事だと思っています。

どうしても人間って、肌感覚を大事にしてしまいますよね。先日社内でも「肌感で言うと…30歳~35歳くらいの新郎新婦様が多いと思う」という会話がありました。しかし、実際にふたをあけて調べてみると20代後半が多く、感覚と5歳ずれているわけですよね。「肌感」と「実際のデータ」とのズレがあれば、施策も変えなきゃいけないよね、という話になってきます。

今までは紙でアンケートをとっていましたので、まず生年月日をデータに打ち込んで、そこから何歳なんだと平均を出していることもありました。ですが、今はもうお客様が直接webフォームに入力し、そこからデータを取ってすぐに分析ができます。そういった膨大なデータを見ながら、いま私たちを支持してくれている顧客はどんな人なのか、という仮説が立てやすくはなっていると思います。

2.データに基づく意思決定をする

米倉

なるほど、ありがとうございます!

「データを皆が使える状態にする」という意味では、データドリブンな仕事の仕方ができているんだなと感じます。

データを見て、事実をつかんで、そこからお客様に対する価値を変えていくということだと思うのですが、そういった「データの見える化」をするツールなども活用されているのですか?

原田氏:そうですね。データの見える化に関しては、BIツールを一昨年に導入しました。

今までの八芳園の基幹システムだと、データは入力されているのですが、アウトが取れない状態でした。そこで、BIツールを導入し、データを取りやすくしました。

どういった切り口でデータを取るのか、という点については、人間が考えた方がいいと思っています。セクションごとに見たい数字も違いますしね。

それをBIツールも活用しながら、見える化を進めています。そうして見えてきた数値を“事実”として各セクションへ返してあげると、「私たちのセクションの事実ってこうなんだ」と分かるようになる。この状態が続いていくと、今まで持っていた肌感覚って間違っているんだなといった気づきも生まれ、事実を認識することで正確な打ち手がとれるようになります。

DX
※画像はイメージです

データ活用の目的を明確にする

原田氏:例えば会場の稼働数とかって、どの会場でもデータを取っていると思うのですが、八芳園の場合は稼働数の前に、そのバンケットをお客様に何回プランナーが提示したかという数値も取れています。

要は「何回仮予約をいただいたか」というデータも取れていて、「仮予約を100回もいただいているのに1回も成約がないね」という時に、バンケットに問題があるのか、バンケットの時間に問題があるのか、いろいろと思考をしてみるわけです。

そこから「ちょっと良い時間に変えてみたら売れた」ということになれば、バンケットに問題があるわけじゃないんだね、ということが分かるみたいなイメージですね。

米倉

具体的な事例までありがとうございます!

どの会場においてもデータは取っていると思うのですが、結局、そのデータをどう活用するかだなと思いました。

「どう活用するのか」という目的を持っていると、こういうデータを取りに行った方がいいのではという話になってきますよね。

原田氏:まさにそうですね。こういった活動をやり出した当初は、私自身も元々ブライダルの責任者をやっていたこともあり、ある程度どういったデータ・数値がほしいかは分かっていました。

ですので、「こういうデータがあったら役立つよね」というのを作った上でセクションに渡していました。それが今は、婚礼セクションの方から「こういう数字を取りたい」とか、「どうやったらこういうデータは出せるのか 」という声があがるような流れに変わってきたので、良い風潮だなと感じています。

3.これまで取り組んできて良かった施策

米倉

ありがとうございます、とても勉強になります!

他に、これまで取り組まれてきたDX施策について、これは良かったなとか、逆にこれは失敗だったなというものはありますか?

原田氏:これ良かったなというポイントで言うと、基幹システムの入れ替えでしょうか。

私たちがそれまで使っていたブライダルの基幹システムは、挙式と披露宴を行うためのデータしか入らなかったんですね。それを、挙式が終わった後も、データを違うセクションに引き継げるようにしたんですね。

住所や電話番号などの個人情報もそうですが、披露宴の時に何をやったか等の情報も含め、挙式後のお食い初めのお祝い等をプロデュースするセクションに引き継いでいきます。そのセクションに引き継がれたデータに、「●月●日に誰がお食い初めをしました」というようなデータをプラスしていけるように作りました。そこの使い勝手はよくなってきたと思います。

米倉

それまではセクションごとにデータを持っていた形なのでしょうか?

原田氏:そうなんです。CRMの部署ではExcelでデータを管理していました。「お子様が生まれた」と言った情報をキャッチしたらそのExcelに入れていたのですが、今では新郎新婦・お子様・お父様お母様のように、家族単位でデータベース化しているので、それを登録して引き継いでいっています。

顧客情報を軸にデータを管理する

DX
※画像はイメージです
米倉

なるほど!

結構シンプルですが、案外取り組まれている企業さんは少なそうですね。

原田氏:そうなんです。元々は、見積や発注等を財務系セクションに引き継いでいくために基幹システムを入れていたので、案件が終わってしまうと、情報だけを他セクションに引き継いでいくっていうのは、なかなかやりづらい状態だったんですね。

ですので、「情報の引継ぎ・データ蓄積」ということを軸に考えて、そこにプラスして、財務とも連携できるようにしていきました。

“案件に紐づく顧客データ”ではなく、“顧客データに紐づく案件”という考え方に変えましたね。

米倉

我々もCRMシステムをサービスとして持っていますが、「顧客情報を軸にデータを管理しましょう」という考え方が、割と世の中では一般的かなと思います。

しかし、婚礼事業者さんの場合、婚礼ブライダル以外の事業を持っていらっしゃることも結構多いと思うので、各セクションごと・各事業部ごとで顧客情報が統一されていない、ということも珍しくないのかもしれませんね。

基幹システム入れ替えの際、現状から変えることに対する抵抗感みたいなのもあったと思いますが、その点はどうでしたか?

原田氏:その点について、弊社の代表は「お客様を軸に、全セクションが動いていくことが理想だよね」ということをずっと言っていたんですよね。

2016年・2017年くらいから「お客様を軸に見たい」ということは思っていたのですが、「何をどうすれば構築できるんだろう」って漠然としていました。

そんな中、一度CRM・SFA系のツールを導入しようとして失敗しているんですよね。そこの失敗体験も、今回は役に立ちました。基幹システムの入れ替えによって「お客様を軸に見る」ことができるようになり、弊社の代表からしても、やっと便利になったという感覚だと思います。

過去にはツール導入時に失敗も

米倉

そうだったんですね!

今後、ブライダル業界においても、顧客管理やCRMに取り組まれる企業も増えていくと思うのですが、過去の失敗事例はどのような失敗だったのでしょうか?

原田氏:当時は、CRMとは何ぞやという時代でした。私の頭の中でもポカーンっていうイメージで、そのままベンダーさんに任せちゃったんですね。

ベンダーさんから「こうが良いですよ」と言われるまま構築してしまい、フィットしなかったんですね。結局「こういうことじゃないんだよね」となり、社内浸透はできず終わっていきました。

「目の前の案件データ」と「お客様のデータ」があった時、どうしてもこの産業の中にいると、目の前の案件に目が行きがちなんですよね。一方でベンダーさん側は「顧客中心」のデータ管理ということをずっと考えられていたので、そこのズレはありましたね。こちら側の能力不足というか、考え方が追いついていないみたいなこともあったと思います。

米倉

詳しくお話しいただき、ありがとうございます!大変勉強になりました。

4.まとめ

今回の記事では、八芳園様がDX推進の中で強化されている“データに基づく意思決定”に関するお話や、これまで取り組まれてきた中で良かったと感じた施策について、具体的なエピソードも交えながらお伝えしてきました。

データの蓄積・分析をしていくことで、肌感覚とのズレも明確になり、正しい打ち手が打てるようになる。加えて、蓄積したデータをどう活用したいのか、という目的が明確になることで「じゃあこういうデータを蓄積しないといけないよね」と考えられるようになる。この流れは非常に重要なことだと感じました。

ここまで3記事にわたって、八芳園の原田様からDXに関するさまざまなお話をおうかがいしてきました!最後までお読みいただき、ありがとうございました!

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