執筆者:泉崎桃子
「プランナーによって、顧客情報管理等の業務方法にばらつきがある」
「日々の業務に追われて接客の統一化が出来ない、、、」
「そもそもマニュアルが古くてうまく活用出来ていない」
このようなことでお悩みではないでしょうか。 マニュアルは「業務効率の向上」「属人化の防止」「教育コストの削減」など多くのメリットを持つ大切なツールと言えます。この記事では、どのように作成したらより有効に活用が出来るのかをご紹介します。
こんにちは。 ブライダル特化のDX支援を行なっている株式会社TAIANの泉崎と申します。 これまでのホテル・プランナー時代の経験をもとに「プランナーがより働きやすい」業界にすべく奮闘中です。
1.コロナ禍での教訓をプラスに変える

コロナ禍で大きく変わったブライダル業界。特に、お客様と接する際の「接客の質」に対して、これまで以上に意識をする必要が出てきたと感じています。オンラインでの面談の難しさ、数少ない来館者への対応など、これまでよりも多くの気配りを必要としたのではないでしょうか。
元々移り変わりの激しい業界ですが、約3倍のスピードで変革が起きていると言われています。
コロナ禍でプランナーをしていた私自身にとっても、新郎新婦のお気持ちに寄り添うことで 毎日のように悩み、正解がわからないことが多く、振り返ってみると大変な日々だったのを良く覚えています。 (現在も奮闘されていらっしゃるプランナー様には頭が上がりません)
そんな中でもコロナ禍でプラスに変革したものも多くあると考えています。 1つ1つの結婚式やご検討中のお客様に対してより真摯に向き合うきっかけにもなったということです。
これをチャンスとして活かすには、せっかく考えた顧客への向き合い方を「型」として今後につなげていく必要があると私たちは考えています。今後のカップルにもより良い接客が出来るきっかけを作るのが今やるべきことなのではないでしょうか。
2.マニュアル作成ノウハウ
2-1.マニュアルの目的理解

まず、マニュアル作成の前に「なぜ必要なのか」という目的を整理してみたいと思います。 そもそもマニュアルとは「これまでの知恵・工夫が詰まったお手本」です。誤解が起きやすいところでもあるのですが、マニュアルは「定型化された人材を教育」するものではなく、「全体的なレベルを上げる」ためのツールと言えるでしょう。
マニュアル作成のメリットには下記が挙げられます。
- 属人化の防止
- 教育コストの削減
- 業務効率の向上
まずはじめに、それぞれが持っているノウハウやスキルが、その人だけのものにならないようにする、いわゆる「属人的」でない共通財産になるようにすることで、社内で同じツールを使って、同じように育成できる「教育コスト」を大きく削減することにつながります。
例えば、各プランナーによって結婚式場のアピールポイントにばらつきがある場合、お客様のクラスターが統一されないデメリットがあります。 一見多くのお客様と取り入れられる良い方法にも思えますが、集客にも成約に繋げるにも時間がかかってしまい、効率的とは言えません。
会場のアピールポイントは何でどんなお客様をターゲットにすべきなのか。多種多様な会場がある昨今では、ここを統一することは必要不可欠です。「成約につながりやすいお客様をより多く呼ぶこと」がまさに業務効率化につながるのです。
2-2.マニュアルの作成方法

マニュアルの作成において、基本的な業務方法はもちろん 「①マニュアルの目的理解」で述べたように「ターゲットとアピールポイント」です。
筆者がプランナー時代に作成したマニュアルでは、
- 「成功体験の事例」
- 「高評価を得ているスタッフへのヒアリング」
- 「お客様がスタッフにかけてくださるお声」
この3点の調査に重きを置きました。
マニュアル作成のステップ

STEP1:チームでのディスカッション
- どんな話をしたらお客様から良い反応を頂けた
- ここのアピールポイントは響きやすい
など個々人が持っている情報を全体に共有することから始めましょう。普段、自分が話していたことを、別のプランナーが全く違った視点で話していることが理解できるはずです。
私もこんな経験がありました。個人的にはマイナスポイントだと思っていた「披露宴会場からチャペルへの距離」を、別のプランナーは「この距離があるからこそ、挙式が特別な時間に思える。歩いてチャペルへ向かう時間こそがかけがえのないとき」と説明し、それが成約のきっかけとなっていたのです。
STEP2:場面ごとのやること、伝えることを整理
来館促進の電話では「何を伝えるか」、来館された時の第一声は「何と声をかけるか」、接客を開始する時の「最初のフレーズは何か」、お見送りの際に伝えるのは「どんなことか」、お客様と話をするタイミングごとに決めましょう。
- 最初の言葉は?
- 必ず伝えることは?
- 最後のしめくくりは?
ここから決めるだけでも、接客の質は大きく変わります。特に一番大事なのは「最初」に何を言うかを統一するということです。
私個人の体験をお伝えすると、全体の意識統一ができることで、マニュアル作成後の成約率は格段に上がりました。
特に、プランナーとして自分の式場に自信を持つことができたのが大きな要因なのだと思います。またその成功体験が他の業務の意識統一をしようという気持ちを生み、さらに式場の接客レベルが向上したという経験もあります。
STEP3:練習・運用する
ここまできたら次は運用するフェーズに入ります。運用方法やマニュアルを使った練習などについては別記事にて紹介しますので、こちらの記事をご覧ください。

3.まとめ
筆者が考えるマニュアルは取扱説明書のような単純なものだけではなく大切なお手本です。
大事なことはお客様が欲しいと思っている情報を、全員が等しく伝えることができ、お客様がひっかかりそうなポイントで全員が等しく手を差し伸べられることです。
もちろん、マニュアルがすべてではありません。行動や、言動でお客様にどう伝えるのかを言葉にするには限界があります。 ですが、すでに意味のある貴重な情報が多く社内に散乱していると考えると、情報を拾い集めていくだけでも、きっとよいマニュアルができるはずです。このコロナ禍をきっかけにマニュアルの作成をしてはいかがでしょうか。
ちなみに、アピールポイント・ターゲットを絞ることにおいては、過去お越しいただいた顧客情報の管理が重要な素材となります。しかし、口頭共有や紙ベースによる管理では、 データ収集にかなりの時間を費やすことになります。 「マニュアル作成」に業務時間を多く奪われてしまっては元も子もないですね。
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この記事がどなたかの参考になりましたら幸いです。最後までお読みいただきましてありがとうございました。