業界の未来とDXについて、熱く・明るく語っていくインタビュー番組「 ブライダル DX対談 」。
第3回目となる今回は、株式会社ブライトより夏目様にお越しいただき「法律のチカラでブライダルの現場を変える」というテーマで対談を実施していきます!
「法律」と聞くと、「ブライダルの現場業務とは全然関係ないんじゃないか?」と思われる方も多いと思いますが、実は、法律のチカラで変革できるポイントがたくさんあります!
ブライダル業界で働かれている皆さまにとって、新しい発見をお伝えできる記事になれば幸いです。
ブライダル DX 対談 スピーカープロフィール紹介
「 ブライダル DX対談 」第3回目のスピーカー
代表取締役 夏目 哲宏 様
結婚式場運営会社に勤務中に「ブライダル事業者に向けた法律サービス」を着想し、2014年に行政書士登録。翌年、株式会社ブライトを設立。
株式会社ブライトでは、「ブライダル事業専門」で法務関連サービスを全国のブライダル事業者に提供。2022年11月には、日本初の「ブライダル特化型」の電子署名サービス『Be-Sign』をリリース。
取締役COO 米倉 元気
新卒でリクルートスタッフィングに入社し、ITエンジニアマーケットを担当。
マネージャーを経て、営業責任者として株式会社TAIANへジョイン。
現在ではCOOとして、ホスピタリティ業界のDX推進を行っている。コロナ禍での結婚式を経験。
1. ブライダル 特化の電子署名サービス
本日はよろしくお願いいたします!
ブライト様とは「ブライダル特化型」の電子署名サービス『Be-Sign』を共同開発させてもらいましたが、まずはそのサービスについて詳しく教えていただけますでしょうか!
夏目氏:『Be-Sign』はブライダルに特化した電子署名サービスです。
法律上では「電子署名法」が2001年に施行されました。実は20年以上前から、「紙にサインをしなくても、一定の要件を満たせば、PDFであっても実際にサインをしたものと同じ効力を認めるよ」という法律があったんです。
しかし、日本はハンコ文化が根強く、実際に紙にサインしたりハンコを押したものでないと「本物ではないんじゃないか」と思われてしまう慣習があり、なかなか浸透してこなかったんですね。
そこからコロナ禍になり、ようやく国も「脱ハンコ」を押し出すようになりました。「わざわざハンコを押すためだけに出社しないといけないのはナンセンスだよね」という動きも広まってきました。
ある調査によると、日本企業の約4割が、何らかの形で電子署名を使っているという状況なんです。ブライダル業界の実態を見た上で、現場においても、これを導入することでかなり作業が楽になるのではないかというところに着想をもち、スタートしたのがこの『Be-Sign』プロジェクトです。
世の中には、電子署名ができるサービスがいろいろと出てきていますが、ブライダル業界の方々・ブライダルの現場での使いやすさに圧倒的に特化した電子署名サービスが、この『Be-Sign』というサービスですね。
2. ブライダル に特化した使いやすさとは
ありがとうございます!
「ブライダルの現場での使いやすさ」というポイントは、具体的にどのあたりにありますか?
夏目氏:一般的な電子署名サービスというのは、事業者側が、サインをしてほしい人のメールアドレスを入力し、サインしてほしいデータを入れて送り手続きをしてもらう、という流れです。
この流れは『Be-Sign』にもあるのですが、例えば、結婚式を検討中で来場されたカップルが、その日のうちに決定が出なくても、何日か後になって「やっぱりこの結婚式場にしよう!」と決められることってあると思うんですよね。その際、申込来訪と言われる「わざわざ申込のためだけに週末に式場へ行きます」ということって、ブライダル業界ではよくありますよね。
しかしこれは、昨今のコロナ禍や異様な暑さの中だったりすると、お客様側にもご迷惑がかかってしまう仕組だとも感じます。
今の時代、フォトウェディングもとても流行っていると思うんですが、沖縄・北海道などのリゾート地で写真を撮影する場合、カップルが実際にそこに行くのは撮影の日だけです、といったケースもあり、 遠隔地で契約しないといけないこともありますよね。
『Be-Sign』は、お客様主導で「好きな時に申込・署名ができる」というのが大きな特徴です。例えば契約用QRコードを用意しておいて、それをお客様がスマホで読み取り、好きな時に申込・署名ができるという機能も開発中です。これが、一般的な電子署名サービスとの1番大きな違いであると思います。
私も、結婚式と披露宴は別の会場で行ったのですが、やはり紙が多いんですよね。荷物も多くなって大変だったなあという記憶がありますが、そういったことも無くなるということでしょうか?
夏目氏:『Be-Sign』も、使い方は導入される事業者さん次第なので、紙でのご説明はするかもしれません。しかし、少なくとも、署名をした申込書だったり重要書類だったりを、わざわざ紙で持ち帰らなくてもスマホで確認できるのが大きなところです。
なるほど!
申込来訪もしなくていいわけですから、式場が空いていない時間帯や、そのためのアポを取らなくていいのも良いですね。
夏目氏:そうですね。お客様が「御社に決めました」とせっかく言ってくださっても、そこから申込書を郵送&送り返してくださいとなると、どうしてもタイムラグが出てしまいますよね。
しかし、電子署名サービスであれば、今はスマホをお持ちでない方はほとんどいないと思いますし、PCもお持ちだと思いますから、そこで手続きができた方がお互い楽ですよね。
カップル側も便利ですし、申込来訪のプロセスを短縮することで、事業者側も楽になりますよね。全員にとってハッピーです!
3.細かい部分へのこだわり
夏目氏:電子署名って日本でも認知されはじめた仕組で、ちゃんと法律の後ろ盾もある仕組なので、『Be-Sign』でなくてもぜひ活用してほしいという気持ちが前提にあります。
一方で、他で市販されている電子署名サービスが全てブライダルで使いやすいかと言われると、そうではない部分もあります。それらのサービスは、ブライダルの業界向けにつくられたものではないですからね。
我々としては、お客様に対して「ご新郎ご新婦」という表現を必ず使うのですが、市販されているものは「契約者名」だったり、ちょっと表現が堅いわけですよね。そういった細かい部分も含めて、ブライダルの現場に特化した形でつくっているのが、『Be-Sign』の大きな特徴の1つです。
「契約者さま」って言葉を使わないとか、デザインをもっとこうしたいとか、ブライダルだからこその細かい部分へのこだわりは大事ですよね。
一般的な電子署名サービスは機械的になってしまいがちですが、我々(ブライダル業界)がいただく契約ってそういうものじゃないじゃないですか。
人の心を動かす・感動を与えるものだと考えると、一般的な電子署名サービスだとちょっと味気ないよねという話になってしまいますよね。UIUXみたいなところをこだわるのって、すごく重要だなと僕たちも感じています。
その他、社内において大切にされていることはありますか?
夏目氏:まず、法律というのは私たちのサービスの軸にはあるのですが、そこだけにこだわる必要はないよ、ということはずっと伝えています。
1番大事なゴールは、「ブライダル業界の現場で頑張っている方たちが、今よりも仕事がしやすくなったり、もっといい結婚式をつくることに集中できるようになってほしい」ということ。そのためなら、法律とあまり関係がない話であっても、私たちが提供できる前提があるならやりましょうという考え方ではいます。
あとは、お客様のことを大事にすること、仲間を大事にすること。そして、『ブライダル業界の守護神たれ』というキャッチコピーをうたっているので、そこからブレることはやめようということを大事にしています。
我々としても、ただブライダル業界の業務を効率化させたいとか、システム化させたいということではなく、「ブライダル業界が届けるサービスがより良くなっていってほしい!そのための時間をつくってほしい!」という想いがあるので、その部分は同じだなあと改めて感じました!
夏目氏:自分たちは直接、カップルの方々に思い出に残る結婚式を提供する立場ではないですよね。主役は現場にいるプランナーの皆さん。そこを、僕らの得意分野である「法律のチカラ」を使って支えていきたいなと思っています。
4.まとめ
今回は、株式会社ブライトの夏目様より「法律のチカラでブライダルの現場を変える」というテーマの下、電子署名サービス『Be-Sign』に関するお話や、サービス開発へのこだわりをうかがってきました。
『Be-Sign』はブライダルに特化した電子署名サービスであるからこそ、細かな部分へのこだわりや、カップル側の使いやすさ、更にはブライダルの現場業務をどう軽減させられるかという点までこだわられているということが分かりました。
次回は「法律のチカラでブライダルの現場に革命を起こす!~法律をもっと身近に、もっとポジティブに捉えるために~」というテーマで、法律のチカラを活用することでブライダルの現場がどう変わるのか、具体事例も交えて、夏目様よりお話をうかがっていきます!