「生成AIを使ってみたけど、なんだか期待通りの答えが返ってこない…」プランナーの皆様も、そう感じたことはありませんか？
実は、生成AIという便利な道具を使いこなすには、ほんの少しだけ「プロンプト（指示）の作り方」にコツがいります。
この記事では、AIの能力を最大限に引き出すための、上手なプロンプトの出し方、その「基本の型」について、ブライダルの現場ですぐに使えるように分かりやすく解説します。
なぜ、生成AIは思い通りの解答をしてくれないのか？
まずは、なぜ思った通りの答えが返ってこないのか。よくある失敗例をブライダル業務の場面ごとに見ていきましょう。
あるある失敗例①：「一言だけ」のざっくりプロンプト
一番多い失敗は、プロンプトが短すぎることです。
例えば、生成AIに「カップルへのお礼メールを作って」とだけ伝えたとします。
これだけでは、生成AIはどんな結婚式を検討しているカップルに、どんな感謝を伝えたいのか分からず、実際のメールで使えるような、心のこもった文章が出力されることはなかなかありません。
あるある失敗例②：前提条件を伝えていない
次に多いのが、業務の「前提」や「背景」を伝えていない場合です。
「SNSの投稿文を考えて」とプロンプトを入力しても、どんな結婚式の写真に添えたいのか、誰に向けた文章なのか、どのような雰囲気のにしたいのかなど、背景情報が生成AIには伝わりません。
生成AIは皆様の頭の中を読めないので、「これくらい分かるだろう」という思い込みは通用しないのです。
AIの能力を引き出す「3つの基本要素」
では、どうすればAIはその能力を最大限に発揮してくれるのでしょうか。
プランナーがプロンプトを出す際に、以下の「3つの基本要素」を伝えることが、良い答えを引き出すためのポイントです。
①明確な「役割」を与える
まず、AIに「どのような立場の専門家として回答してほしいか」という役割を与えます。
ブライダルの仕事では、相手に寄り添う姿勢が大切なので、AIにもその役割を担ってもらうのです。
例えば、ただプロンプトを入力するのではなく、最初に「あなたは、カップルの不安な気持ちに寄り添うのが得意な、経験豊富なプランナーです」と一言加えるだけで、AIが作成する文章の案は、より温かく、配慮されたものになります。
②丁寧な「背景」と「目的」を伝える
次に、「どのような状況で、何を達成したいのか」という、プロンプトの背景と目的を伝えます。
これを伝えることで、AIはプランナーの意図をより深く理解し、的確な回答を作りやすくなります。
例えば、「お礼メールを作って」とだけお願いするのではなく、「先日ブライダルフェアにご来館されたカップルで、費用面に少し不安を感じているご様子でした。今日の打ち合わせでその不安が解消できたと思うので、安心してこれからの結婚式準備が楽しみになるようなメールを送りたいです」というような背景と目的を伝えることが重要です。
③具体的な「条件」を指定する
最後に、作成してほしい文章に含めてほしい要素や、守ってほしいルールといった「条件」を具体的にプロンプトに入力します。
その際、箇条書きで分かりやすく伝えるのがコツです。
例えば、挙式レポートのSNS投稿文の作成であれば、「#ハッシュタグは10個提案して」「必ず『ガーデンウェディングでの人前式』という言葉を入れて」「絵文字を使い、親しみやすい雰囲気で」といったように、条件を細かく指定します。このひと手間が、AIの回答の質を大きく左右します。
AIを使う上での注意点
便利なAIですが、使い方を間違うと思わぬ問題に繋がることもあります。最低限、以下の2点は必ず守りましょう。
AIの回答は、必ず人の目で確認する
AIは膨大なデータを学習していますが、完璧ではありません。
生成される情報には、誤りが含まれていたり、不正確な内容だったりする可能性が常にあります。これは、AIが学習したデータに偏りがあったり、最新の情報が反映されていなかったりすることが原因です。
そのため、AIが生成した回答は、そのまま使用するのではなく、必ずブライダル業界の専門知識を持つプランナーや担当者が内容を最終確認するようにしましょう。
事実確認はもちろんのこと、お客様に響くような言葉遣いになっているか、式場のブランドイメージに合っているかなども含めて、細部まで人の目でチェックすることが不可欠です。
カップルの個人情報の取り扱いには、十分注意する
AIを利用する際、特に慎重にならなければならないのが個人情報の取り扱いです。
現時点では、多くのAIツールが入力されたデータを学習に利用する可能性があります。
これは、お客様の氏名、連絡先、アレルギー情報、特別な要望といった機密性の高い個人情報が、意図せずAIの学習データとして利用されてしまうリスクがあるということです。
お客様の個人情報が流出したり、不適切な形で利用されたりした場合、プライバシー侵害にあたるだけでなく、式場の信頼を著しく損ね、企業の存続にも関わる重大な問題に発展しかねません。
個人情報保護法などの法令遵守はもちろんのこと、お客様からの信頼を守るためにも細心の注意が必要です。
終わりに
ここまで、生成AIを効果的に使うためのプロンプト作成の基本についてお伝えしました。生成AIは、皆様のブライダル業務をよりスムーズにし、お客様へのサービス向上に貢献できる強力なツールとなりうります。一方で、生成AIを活用する際には、個人情報の取り扱いなど十分に注意することも必要です。
生成AIを活用して来館率を向上させる方法について詳しく知りたい方は、以下の記事もぜひ参考にしてください。
