以前別の記事でブライダルフェアの歴史について触れました。今回はデジタル時代におけるブライダルフェアに対する考え方や大事なポイントやマーケティングにおいての考え方等ノウハウをまとめてみました。
あわせて読みたい記事

デジタル時代におけるブライダルフェアの企画方法

デジタルが当たり前になった現代、マーケティングにおいてもあらゆる数値の計測が可能になりました。以前は新企画を立案してもそこから結果が得られるまでが長く、綿密な事前調査が必要になりました。
しかし、デジタルを通じることで結果が得られるまでの時間が短くなり、より詳細な数値を得られるようになりました。
そんな現代で、ブライダル業界のマーケティングで最も大事な方法は下記ではないでしょうか。最も大切にしたい2つのことを紹介します。
自社のペルソナの仮説を作る
ペルソナとは、サービス・商品の具体的な利用者像のことです。
例えばですが、 28歳・IT企業勤務・都内在住・女性・営業・新しいサービスが好き・普段はTwitter、Webなどから情報を得ているみたいな具体的な生活イメージが湧くような人物像です。

ペルソナを設定するメリットは具体的に3点ほど紹介すると、
- ユーザー視点の精度を高めることができる
- どの媒体に広告を厚く投下するべきかを判断しやすくなる
- 狭く深く愛されるファンを生み出すことができる
といったものです。やはり特定の誰かを決めるということは、それだけメッセージは狭く、そして深くなります。八方美人ではなく、特定の誰かと恋愛しているような感覚だと捉えていただけるとわかりやすいのではないでしょうか。
逆にペルソナを設定しないと下記のような事態に陥りやすいと言われています。
- ユーザー視点がわからない
- 広告への投下判断がしにくい
- 広く浅く好かれるが結局は他社に流れてしまう
まさにメリットの逆になりますが、ペルソナ設定はよく恋愛に例えられます。
自分のことを「好き」と言ってくれる人のほうが、だれにもいい顔をしている人よりも気になりますよね?これと同じように、自分に対してメッセージを言っていると伝わるほうが、気にしてくれるユーザー(お客様)を増やすことにつながります。
CVR/CPAを計測してペルソナの仮説をブラッシュアップする
まずは言葉の理解からしていきましょう。マーケティング用語のCVR/CPAとは下記のことです。
CVR=コンバージョンレート:サイトに流入した人のうち申し込んだ人の割合
仮に100人がWebサイトに流入したとして、申込んだ人が1人であれば「CVR 1%」ということになります。CVRは例えばですが、Google Analyticsのようなサービスを活用することで計測できます。自社のサイトに訪れた人がどういうコンテンツを良く見ていて、どこで離脱しているのか。また、申し込む人はどういう検索をしてサイトに流入しているのか。
これらを知ることでより精密なペルソナ像を作り、サイトメッセージの磨き込みにも繋げられます。
CPA=顧客獲得コスト:1成約あたりにかかった費用。
例えば、Web広告に10万円を使って、申込んだ人が1人であればCPAは10万円ということになります。CPAは、顧客ごとの流入経路と広告費を比べることで詳細な計算ができます。これによって、広告媒体ごとのパフォーマンスが分かり、自社が注力すべき広告媒体を絞ることができます。当然ですがCPAはコストなので、CPAが安い広告媒体にたくさんの費用を投下した方が、安く・多くの顧客を獲得できることになります。Web広告の効果は数字で計測すると実態がより鮮明に見えてきます。
このようにフェアの企画やその企画がターゲットに有効なのかどうかは数字で判断できる時代になりました。CVRが悪いなら有効ではない、CVRが良ければ有効な施策であると、判断材料が明瞭になっています。そのわかりやすさを活かした、数字で見た分析が必要と言えるでしょう。
成約率を上げるための接客の仕組み

成約率を上げるための一番の要素はやはり「お客様と相性の良いブライダルプランナーをアサインする」ということです。プランナーによって成約するお客様のタイプが全く違うというのはあるあるですよね。それは裏を返すと相性の悪いお客様は失注しているということです。
相性の良いプランナーをアサインするためには、顧客情報と接客情報をとにかく拾い上げることと、得られた情報の分析が鍵となります。
事前アンケートなど、実際にヒアリングをしたり、それが難しければ前項で触れたGoogle Analyticsのようなツールを使って、どのコンテンツに興味あったか、どういう検策ワードで流入したかなどの情報を参考にすることも検討してみてください。その顧客情報とプランナーの得意分野を掛け合わせることで、お客様が欲しい情報や、お客様にあったプランナーをアサインすることができるようになります。
さらに進めていくと、情報がストックされていくようになり「このニーズでは失注しやすい」「このニーズに対しては受注しやすい」といった式場全体の強みや弱みが浮かんでくるようになります。
現代ではSNSや情報メディアなどで非常に顧客ニーズの変化が激しくなっています。一回分析して結果が出たら終わりではなく何度も繰り返し分析をして、チューニングをしていく作業を半年に一度くらいの頻度で実施することが必要です。
まとめ
自社の魅力を伝えられるブライダルフェアは重要なイベントです。ここまでの内容が踏まえられているか今一度自社のブライダルフェアを見直してみると良いでしょう。
ポイント
- ペルソナを設定し、ペルソナのニーズにマッチしたものを企画すると良い
- デジタルマーケティングで数値を見て効果測定する
- 顧客データを事前に取り、相性の良いプランナーのアサインを仕組み化する
これらのポイントを絞り、ターゲット顧客とフェアコンテンツのマッチングをしてみてはいかがでしょうか。正直、このデジタル時代においても「ブライダルプランナーと顧客の相性」は施行の決定には重要な要素であることは間違いありません。だからこそ誰をアサインするかはデジタルの事前分析に任せ、効率化を図るということも今後は大事なのかもしれませんね。